在宅勤務の転職先で利用できる福利厚生には何がある?

在宅勤務の転職先で利用できる福利厚生には何がある?

在宅勤務の転職先で利用できる福利厚生には、在宅勤務手当、通信費・光熱費の補助、パソコンや周辺機器の貸与、出社時の交通費、フレックスタイム制度などがあります。ただし、同じ「在宅勤務可」の求人でも、対象者や支給条件、出社頻度は会社によって異なります。

転職先を選ぶときは、福利厚生の名称だけでなく、在宅勤務にかかる費用をどこまで会社が負担するのか、在宅勤務をどの程度続けられるのかを確認することが大切です。

在宅勤務で利用できる主な福利厚生

在宅勤務に関係する福利厚生は、費用の補助、仕事環境の整備、働き方の柔軟性に分けて考えると比較しやすくなります。

福利厚生の種類 主な内容 確認する条件
在宅勤務手当 在宅勤務の日数などに応じた手当 支給額、対象日数、支給期間
通信費・光熱費の補助 インターネット回線や電気代などの補助 定額か実費か、対象となる費用
機器の貸与・購入補助 パソコン、モニター、机、椅子など 貸与か支給か、退職時の扱い
交通費 出社や出張時の交通費 定期代か実費精算か、上限額
フレックスタイム制度 始業・終業時刻を一定の範囲で調整できる制度 コアタイム、対象職種、申請方法
休暇・両立支援 有給休暇、育児・介護支援、短時間勤務など 取得条件、対象者、申請期限
健康・学習支援 健康診断、相談窓口、研修費や資格取得支援など 対象となる費用、利用回数、上限額

在宅勤務にかかる費用を補助する福利厚生

在宅勤務手当や通信費の補助は、在宅勤務によって発生する費用の一部を会社が負担する制度です。ただし、名称が似ていても、支給方法や対象費用は会社ごとに異なります。

在宅勤務手当

在宅勤務手当は、在宅勤務をした日数や月単位で支給される手当です。電気代や通信費の補助をまとめて支給する会社もありますが、手当の支給があるだけで、すべての在宅勤務費用が補償されるとは限りません。

求人票や就業規則では、次の点を確認します。

  • 月額支給か、在宅勤務をした日ごとの支給か
  • 在宅勤務の最低日数などの条件があるか
  • 試用期間中も対象になるか
  • 出社と在宅勤務を組み合わせる場合も支給されるか
  • 通信費や光熱費の実費精算と併用できるか

通信費・光熱費の補助

自宅のインターネット回線費や電気代を、定額または実費で補助する制度があります。個人契約の回線を使うのか、会社が回線や通信機器を用意するのかによって、自己負担も変わります。

「通信費補助あり」と書かれていても、スマートフォンの通信費、自宅のインターネット料金、通話料のどれが対象かは未確認のままの場合があります。対象費用と申請方法を、内定後の労働条件通知書や就業規則で確認しましょう。

仕事に使う機器や環境を整える福利厚生

在宅勤務では、会社がパソコンやモニターを貸与し、自宅で仕事をするための環境を整える場合があります。購入補助がある場合でも、対象商品や上限額が定められていることがあります。

パソコン・モニターなどの貸与

業務用パソコン、モニター、ヘッドセット、マウスなどの貸与は、在宅勤務で利用されることが多い制度です。会社の情報を扱うため、私物のパソコン利用を認めず、貸与機器のみ使用する会社もあります。

確認する項目は、次のとおりです。

  • パソコンやモニターが標準で貸与されるか
  • 自宅への配送費や設置費を誰が負担するか
  • 机や椅子などの購入補助があるか
  • 故障や紛失時の連絡先と費用負担
  • 退職時に返却する機器やデータがあるか

在宅勤務用の備品購入補助

机、椅子、照明、モニターなどの購入費を補助する会社もあります。ただし、補助がある場合でも、対象品目、購入前の申請、領収書の提出、補助上限額などの条件を確認する必要があります。

「在宅勤務環境を支援」とだけ記載され、具体的な金額や対象品目が書かれていない場合は、補助内容を確定できません。選考時や内定後に、採用担当者へ確認しましょう。

出社や働く時間に関係する制度

完全在宅ではなく、週に数回出社する会社では、交通費や出社日数が福利厚生の使いやすさに影響します。また、在宅勤務と相性がよい制度として、フレックスタイム制や時差勤務があります。

交通費の支給方法

在宅勤務が中心の会社では、毎月の定期代ではなく、出社した分だけ実費を精算する方式が採用されることがあります。一方で、勤務地や出社回数によっては定期券の利用を前提とする場合もあります。

「交通費支給」と書かれていても、在宅勤務時の出社がすべて対象とは限りません。次の点を確認してください。

  • 出社日の交通費を実費で精算できるか
  • 自宅から本社以外の拠点へ行く場合も対象か
  • 月額や1回あたりの上限があるか
  • 出社命令や研修参加時の交通費を誰が負担するか

フレックスタイム制・時差勤務

フレックスタイム制は、決められた総労働時間の範囲で、始業・終業時刻を調整しやすくする制度です。在宅勤務と組み合わせることで、通勤時間を避けたり、家庭の予定に合わせたりしやすくなります。

ただし、フレックスタイム制でも、全員が自由な時間に働けるとは限りません。コアタイム、会議時間、部署ごとの勤務ルール、在宅勤務日の申請方法を確認しましょう。

育児・介護や健康を支える福利厚生

在宅勤務の求人では、育児や介護との両立支援、休暇制度、健康相談なども確認できます。在宅勤務そのものが、育児や介護のためにいつでも中断できる制度を意味するわけではありません。

確認したい制度には、次のようなものがあります。

  • 育児休業・介護休業
  • 子どもの看護等休暇や介護休暇
  • 短時間勤務制度
  • 時間単位や半日単位で取得できる休暇
  • 定期健康診断や人間ドックの補助
  • 産業医や社内相談窓口

厚生労働省は、テレワークに関する労務管理や健康管理の考え方をテレワークに関する情報で案内しています。制度の有無だけでなく、勤務時間の管理方法や相談先も確認すると、入社後の認識違いを減らせます。

福利厚生ではなく、勤務条件として確認する項目

在宅勤務の転職では、福利厚生だけでなく、勤務場所や出社ルールも重要です。これらは福利厚生ではなく、雇用契約や就業規則に関わる勤務条件として確認します。

  • 完全在宅勤務か、出社を組み合わせるハイブリッド勤務か
  • 出社の頻度や曜日が決まっているか
  • 勤務地の変更や転勤の可能性があるか
  • 入社直後や研修期間だけ出社が必要か
  • 在宅勤務を行える職種・部署が限定されていないか
  • 会社の判断で出社日が増える可能性があるか
  • 在宅勤務に必要な就業場所の条件があるか

特に「在宅勤務可」は、「毎日、自宅だけで働ける」という意味とは限りません。求人票に「原則在宅」「週数回出社」「月に数回出社」などの記載があれば、頻度と例外を具体的に確認してください。

転職前に福利厚生を確認する順番

求人票だけでは詳細が分からない制度もあるため、選考の段階と内定後で確認する内容を分けると効率的です。

  1. 求人票で勤務形態を確認する。完全在宅か、出社を含むのか、対象職種が限定されているのかを見ます。
  2. 在宅勤務にかかる費用を確認する。在宅勤務手当、通信費、光熱費、機器購入補助の有無を確認します。
  3. 出社時の負担を確認する。出社頻度、交通費の支給方法、出社先を確認します。
  4. 面接や面談で運用実態を質問する。制度があるかだけでなく、実際の出社回数や利用条件を聞きます。
  5. 内定後に書面で確認する。労働条件通知書、雇用契約書、就業規則などで、勤務場所や手当の条件を確認します。

質問するときは、「在宅勤務手当はありますか」だけでなく、「対象となる費用、支給条件、試用期間中の扱い、制度変更の可能性を教えてください」と具体的に聞くと、比較しやすくなります。

在宅勤務の福利厚生を比較するときの注意点

福利厚生の数が多い会社ほど、在宅勤務に向いているとは限りません。自分が実際に使う制度と、利用条件を比べることが重要です。

  • 「制度あり」だけでなく、対象者と申請条件を見る
  • 手当の金額だけでなく、在宅勤務の頻度や自己負担も比べる
  • 試用期間中、入社直後、育児・介護中の扱いを確認する
  • 求人票の内容と面接で説明された内容に違いがあれば、書面で確認する
  • 会社の都合による出社や転勤の可能性を確認する

たとえば、在宅勤務手当があっても、毎週の出社回数が多ければ交通費や通勤時間の負担が大きくなることがあります。手当だけで判断せず、在宅勤務の頻度、出社時の費用、仕事用機器の支給、勤務時間の柔軟さを同じ条件で比較しましょう。

在宅勤務の転職先を選ぶときは、まず「どの程度在宅勤務ができるか」を確認し、そのうえで手当、通信費・光熱費、機器、交通費、休暇制度を調べます。福利厚生の内容が求人票だけで分からない場合は、入社後の認識違いを防ぐため、支給条件や出社ルールを採用担当者に確認し、最終的には書面で確かめることが大切です。